百日咳
百日咳(ひゃくにちぜき)
百日咳とは、百日咳菌により起こる感染性の高い感染症です。咳の発作があり、長く高い音をたてて深く吸いこむ息で終わります。咳をすると濃い痰が大量に出ます。
百日咳の症状は、2回目は軽いため、百日咳と診断されないこともあります。咳をする成人の一部は、百日咳に感染しています。
百日咳に感染した人が咳をした時の飛沫を吸いこんだ人が感染します。感染から3週目以降は、感染性がなくなります。
百日ぜきの症状
百日ぜきは約6週間続き、3段階で進行します。1)軽いかぜのような症状の時期、2)重いせきの発作が起こる時期、3)徐々に回復する時期。
風邪のような症状とは、くしゃみ、鼻水、全身のだるさ(倦怠感)などです。
1〜2週間後には典型的なせき発作が始まります。これらの発作では、典型的には5〜15回かそれ以上の回数の連続したせきが出て、その後にフープ(長くて高い音のする深い吸気)があります。
発作の後は、呼吸は正常に戻ります。その後すぐに新たな咳発作が始まり、数週間後には減っていきます。しかし、数週間から数カ月も咳が長びくこともあります。
百日ぜきと間違えやすい症状
防虫剤で体調不良、化学物質過敏症(MCS)、カビによる過敏性肺炎、黄砂・煙霧(スモッグ)、肺真菌症による咳、など。
百日ぜき患者の3分の2近くは、5歳未満の子供
百日ぜきは、2歳未満が最も症状が重く、1歳未満の子供では約1〜2%が死亡します。幼児では、長い咳の発作の後、嘔吐することがよくあります。乳児では、息苦しさと呼吸の一時的な停止(無呼吸)が起こり、皮膚が青くなることがあります。咳をすると濃い痰が大量に出ますが、乳児や子供では飲みこまれたり、鼻から大きなあぶくとして見えたりします。
百日ぜきの子供の約4分の1は肺炎を発症し、呼吸困難に陥ります。
百日ぜきの結果、耳の感染症(中耳炎)を発症することもあります。
百日ぜきが乳児の脳に影響を与えることがあります。脳の出血、腫れ、炎症などにより、けいれん、錯乱、脳の損傷、精神遅滞などが生じます。
百日ぜきを発症した子供の多くは完全に回復しますが、時間がかかります。
百日ぜきの診断と経過の見通し
典型的なフープのある咳やその他の症状があった場合はこの病気を疑い、鼻の後部やのどから採取した痰のサンプルを培養して診断を確定します。病気から数週間たっていると陰性になります。鼻や喉から採取したサンプルでその他の診断検査(ポリメラーゼ連鎖反応や迅速検出検査など)を行うと診断に役立ちます。
百日ぜきの予防と治療
百日ぜきのワクチンは、ジフテリアと破傷風のワクチンと混合されています。百日ぜきにさらされた子供には、予防法として抗生物質のエリスロマイシン(ときにはクラリスロマイシンやアジスロマイシン)が投与されます。
容体の重い乳児は入院させます。乳児が呼吸困難を起こすと重症になり、気管に挿入したチューブを通して機械換気をする必要が生じるからです。酸素補給や点滴が必要になることもあります。年長の小児で病気が軽度の場合は、自宅で治療します。
咳止め薬の効果は疑わしいので、使わない方が適切です。
百日ぜきを起こす細菌を根絶するため、抗生物質のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンが使われます。抗生物質は、百日ぜきに伴って起こる肺炎や中耳炎などの感染症の治療にも用いられます。
外部リンク